教育メディア研究
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我が国の放送教育の研修システムに関する考察(<特集>放送教育運動の総括から新たな発展のために)
木原 俊行
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2003 年 9 巻 2 号 p. 18-24

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抄録
本論文では,我が国の放送教育の研修システムについて、それが放送教育の発展に影響を与えてきたことを前提として、その課題と展望を明らかにした。これまで我が国の放送教育では、様々な集合形式の研究会が開催されてきた。そこでは、放送教育の実践家が、実践を報告しあったり、授業公開に基づく議論を繰り広げたりしてきた。それらは、彼らにとって、放送教育に関する実践知を吸収するためのよき機会であった。しかしながら、教師間コミュニケーションの密度と範囲からすると、放送教育に関する伝統的研修システムには克服しがたい問題がある。それを補完するものとして、ネットワークを基盤とする研修システムが開発され、運用され始めたが、これについても、その条件整備に関するいくつかの問題点が指摘されている。両者の研修システムは、互いに補完・補強する関係にある点に注目すべきであり、その統合的運用を図るためには、それらの核となる組織の確立が期待されることを論述した。
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© 2003 日本教育メディア学会
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