静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
Print ISSN : 1344-4980
ISSN-L : 1344-4980
特集
間接熱量計を用いた慢性膵炎患者の栄養管理
柳町 幸丹藤 雄介中村 光男
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 27 巻 6 号 p. 1337-1342

詳細
抄録
慢性膵炎は膵内外分泌機能が徐々に低下していく進行性の疾患である。本疾患は、全病期を通して栄養障害に陥りやすい上、進行の程度によって病態が異なる。したがって、変化する病態を3病期 (代償期、移行期、非代償期) に分類し、それぞれの病期に応じた治療を行う必要がある。全病期を通して安静時エネルギー代謝が亢進する傾向にあるため、実測の安静時エネルギー消費量をもとにした投与エネルギー設定が有用である。代償期は有痛期には脂肪摂取制限が必要であり、摂取エネルギー不足に陥りやすいため、経腸栄養剤の併用が有用な場合がある。間歇期には脂肪制限を解除し、必要エネルギーを摂取させる。また、非代償期には消化酵素薬およびインスリンを補充した上で必要エネルギーを摂取させることが重要である。
著者関連情報
© 2012 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top