静脈経腸栄養
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施設近況報告
小規模急性期病院におけるクリティカルパスの改良を中心とした合理化によるNST活動
光吉 明松本 恵子
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キーワード: DPC, NST, クリティカルパス
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2013 年 28 巻 5 号 p. 1113-1118

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抄録

Nutrition Support Team (以下、NSTと略) としての活動形態は病院によって多種多様である。手術治療を中心とする小規模急性期総合病院におけるNSTの立ち上げと、Diagnosis Procedure Combination (以下、DPCと略) を導入後の活動形態のあり方、消化器外科手術症例に対しての具体的関与法を検討し、当院NSTとしての一つの方向性が得られたので報告する。消化器外科医を含むNSTメンバーは感染対策委員会やDPC委員会、クリティカルパス (以下、パスと略) 委員会と情報交換を密にし、手術症例は可能な限りパス診療の支援を行った。また毎月提出される各委員会での検討結果をNSTが総合的に分析し、バリアンス分析と、より良いパス作成のために積極的助言を行った。その結果、感染性合併症の減少、TPN、抗生剤を中心としたコスト減少、平均在院日数の減少傾向がみられた。DPC導入後の急性期病院においては、改良を重ねたパスに沿った診療を行えば「医療サービス」と「経営効率」の高いレベルでの両立が可能であり、そのためにはNSTが病院経営に関わる各種委員会に積極的に関与し、診療データの分析とパスの改良を推進することが重要であると考える。

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© 2013 日本静脈経腸栄養学会
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