静脈経腸栄養
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特集
栄養剤から見た PEG
宮澤 靖
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2014 年 29 巻 4 号 p. 975-980

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抄録
高齢者が増え医療も高度化したことで、医療依存度の高い臓器不全の患者が増加している。このような患者は急速に栄養状態は悪化するのが特徴で、栄養とリハビリテーションのチーム医療が求められ、症例によってはその経口摂取が不可能であったり経口摂取そのものが患者にとって不利益になる症例も増加してきた。そのために経腸栄養法施行患者が増加し、長期管理の一つの方法として PEGによってより低侵襲に造設が可能になった。しかし、経腸栄養法は、経静脈栄養法に比して生理的であることが利点であるが「生理的であればあるほどトラブルは少ない」はずである。医療従事者のマンパワー不足や食材費最優先主義が横暴化してきて「人がいないから」という理由で加水バッグ製品の使用や1日1回ないし2回投与という非人道的な投与法を施行している施設がある。本来、経腸栄養法は「患者に対して生理的」な投与法であったが最近では「職員に整理的」なものになってしまっている。本来の正しい認識を我々も再確認して、胃瘻造設患者に対し安全で確実な栄養サポートを引き続き継続するためには、経腸栄養剤を正しく使用することが肝要である。
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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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