静脈経腸栄養
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特集
摂食・嚥下訓練からみた PEG
三原 千恵
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2014 年 29 巻 4 号 p. 995-1001

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抄録
 最近、マスコミなどでPEGの是非が問われ症例が減少した。安易なPEGの防止に役立った一方、「PEGは非人道的」という嫌悪感を煽ったことも否めない。基本的には経腸栄養のアクセスルートの一つとして、また経腸栄養から経口摂取への移行における栄養摂取の補助手段として PEGを捉える必要がある。
 筆者は経鼻胃管の不快感を除いて摂食・嚥下訓練を容易にし、栄養と水分を補給する「食べるための PEG」を推奨してきた。本年度の診療報酬改訂では、嚥下機能を評価しPEGや摂食機能療法を行うと加算され、経口移行後の胃瘻抜去術が新設された。しかし経口摂取に移行しても水分が不足する場合は嚥下しにくい水分を補給する「飲むための PEG」が必要である。
 摂食・嚥下障害における栄養管理のゴールは経口摂取である。われわれ医療福祉従事者は、患者の生きる楽しみである「口から食べる幸せ」まで、負担なく安全に到達するよう尽力すべきである。
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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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