抄録
【目的】高齢者の急性期病院におけるNST介入の際の栄養評価のツールとして,「摂食意欲」に着目し,介入による変化や血清アルブミン値(s-Alb)等栄養指標との関連を検討した。【対象及び方法】NSTが介入した患者116名(男50名,女66名)平均年齢84.5±7.0歳。「摂食意欲」を看護師が4段階評価し,介入による摂食意欲の変化を検討した。摂食意欲の変化と,BMI,s-Albの変化の相関も検討した。【結果】NST介入により摂食意欲及びs-Albは上昇した。摂食意欲上昇とs-Alb増加の間は有意な相関が認められた。介入前に摂食意欲が高いほど,介入終了時のエネルギー給与量は増加し,BMIも高値であった。多変量解析の結果,摂食意欲改善,炎症反応改善,BMI増加がs-Albの増加と独立に関連する因子であった。【結論】高齢者の急性期病院の患者において,NST介入で摂食意欲が高まり,s-AlbやBMIの増加が認められた。摂食意欲の評価指標はNSTの重要なツールの一つになると考えられ,その意欲を高めることが重要と思われる。