日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
超低出生体重児における症候性動脈管開存症の危険因子解析
野呂 歩水島 正人内田 雅也塩野 展子里見 達郎
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2022 年 58 巻 1 号 p. 98-104

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抄録

 2004年1月〜2019年12月に出生し,当院で管理した生存退院超低出生体重児357例で,症候性動脈管開存症(177例)を従属変数,周産期因子や急性期治療項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った.単変量解析で短い在胎期間,小さい出生体重,初産,母体へのインドメタシン投与,アプガールスコア1分値低値,臍帯動脈血pH高値,呼吸窮迫症候群(RDS),消化管穿孔,高頻度振動換気,容量負荷,カテコラミン投与が有意な危険因子,日齢2以下でのキサンチン製剤投与が抑制因子だった.多変量解析では在胎期間(+1週毎)(0.67:0.53-0.82;p < 0.01),RDS(1.94:1.07-3.55;p=0.03),日齢2以下でのキサンチン製剤投与(0.33:0.16-0.65;p <0.01),カテコラミン使用(2.28:1.19-4.41;p=0.01)が有意な因子に選択された.

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© 2022 日本周産期・新生児医学会
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