日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
先天性外科疾患を合併した児のフォローアップ状況に関する調査
和田 友香諫山 哲哉河野 由美伊藤 裕司
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2022 年 58 巻 2 号 p. 294-299

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抄録

 先天性外科疾患を合併した児のフォローアップは実態が不明である.2020年6月〜2021年3月に全国のNICU 247施設にアンケート調査を行ったところ,164施設から回答を得た(66.4%).フォローアップ期間が6歳以上の長期であると回答された割合が高かった疾患は,先天性横隔膜ヘルニア,脊髄髄膜瘤,新生児期に非開心術を行った先天性心疾患で,フォローアッププロトコルがある疾患や原疾患の長期フォローアップが必要な疾患であった.長期フォローアップは外科医によるものであり,小児科・新生児科による発育・発達評価を含めたフォローアップは不十分であることが明らかとなった.また発達検査ができないことが課題であることも判明した.以上より先天性外科疾患を合併した児のフォローアップ体制を構築するためにはフォローアッププロトコルの作成,各地域での体制整備,質問紙などを用いた二段階のフォローアップ方法などが必要と考えられた.

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© 2022 日本周産期・新生児医学会
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