日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
教育講演
わが国の無痛分娩の現状と今後
海野 信也
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2023 年 58 巻 4 号 p. 644-646

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抄録

 はじめに─本教育講演の構成

 2017年にわが国で発生した無痛分娩の麻酔関連の重篤な合併症に関する報道は,わが国の無痛分娩を希望する妊産婦とその家族,そしてわが国の一般の方々に対して,無痛分娩の安全性に関する重大な懸念を引きおこした.安全で安心な分娩環境の確保は,医療提供体制確保に責任を有する国および都道府県等の自治体,そしてわれわれ周産期医療に関わる医療従事者として最優先の課題であり,この課題の解決のための精力的な努力が続けられてきた.本講演では,厚生労働省,無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA),そして無痛分娩の専門学会という各ステークホルダーが,安全な無痛分娩の診療の提供に向けて取り組んできた過去5年間の歩みとその成果について,紹介した.

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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