日本周産期・新生児医学会雑誌
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症例報告
胎盤転移をきたした乳癌合併妊娠の1例
小川 真幸山下 洋古賀 恵杉見 創山口 純子菅 幸恵福田 雅史安日 一郎
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2023 年 59 巻 1 号 p. 138-142

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抄録

 妊娠期に診断される悪性腫瘍のうち,乳癌は最も頻度が高いものであるが1),胎盤転移をきたすのは稀とされている.今回,母体全身の多発転移とともに胎盤転移をきたした乳癌合併妊娠の1例を経験したので報告する.症例は36歳,1経産,妊娠27週0日で乳癌の肝転移,骨髄転移,および腫瘍性DICと診断された.妊娠27週3日に緊急帝王切開術を施行したが,全身状態は改善することなく術後4日目に母体死亡に至った.胎盤病理検査で,乳癌の胎盤転移を認めた.

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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