2023 年 59 巻 3 号 p. 381-386
【目的】当院は病棟改築を機にNICUとPICUが隣接する病棟構造に移行した.改築前後での先天性心疾患児の周術期管理・予後の変化について後方視的に比較した.
【対象と方法】東京大学医学部附属病院NICUに入院し,先天性心疾患に対する手術を受けた児を改築前後に分けて比較した.
【結果】背景情報に差はなく,生存退院率や1歳時の死亡率に有意差はなかった(p=0.73,1.00).併存疾患を有する児や非心臓外科手術を要した児が増え(p=0.006),NICU/PICU間の患者移動が増加していた(p<0.001).
【考察】病状に応じてNICU/PICU間を安全に移動できていた.複雑な治療を要する児の管理には有用であったが,NICU長期滞在例が増えるなどの課題も生じた.
【結論】NICU/PICUの病棟構造によって先天性心疾患を有する児の周術期管理病床は変化しうる.