日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
症例報告
MonoMAC症候群合併妊娠の1例
山田 和佳片岡 宙門田畑 智章今泉 翠小館 英明古田 祐田沼 史恵
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 60 巻 1 号 p. 142-146

詳細
抄録

 MonoMAC症候群(monocytopenia and Mycobacterium avium complex infections syndrome)はGATA2欠損症候群の一型で,抗酸菌,HPV(human papillomavirus)などのウィルスや真菌に対する易感染性を示し,造血器疾患を発症する原発性免疫不全症である.症例は32歳,1妊0産.27歳時MonoMAC症候群および骨髄異形成症候群が判明.HPV感染により尖圭コンジローマを繰り返し,29歳には子宮頸癌1A1期で子宮頸部円錐切除術施行.32歳で妊娠し,子宮頸部細胞診は妊娠8,30週ともにASC-H.妊娠中尖圭コンジローマは難治性で妊娠37週4日に選択的帝王切開での分娩となった.尖圭コンジローマは産後1カ月健診時にはほぼ消失した.MonoMAC症候群合併妊娠では感染症のコントロールが重要であり,早期対応ができるよう呼吸器内科や血液内科と連携することが必要である.

著者関連情報
© 2024 日本周産期・新生児医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top