抄録
小児に発生する平滑筋肉腫は極めて稀である.現在までの文献的考察の結果では, 性差はなく, 乳児期の発生が比較的多い.原発部位はさまざまであるが, 成人と異なり, 性器発生はない.消化器や表在性軟部組織原発例の予後が比較的良好であるのに比し, 泌尿器や後腹膜原発例のそれは極めて悪い.再発が非常に多く, 治療には, 早期の根治手術を望むことはもちろん, 積極的な後療法の実施が必要である.ADMは本腫瘍に比較的有効と考えられ, 今後, これらによる術後化学療法に対して予後改善のための検討が加えられるべきであろう.