日本小児外科学会雑誌
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漏斗胸に対する Rehbein 法の検討
畠山 元永原 暹東 孝川崎 史寛中村 哲郎辻 尚人柏井 朗河田 晴子中村 資朗
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キーワード: 漏斗胸, Rehbein法, 手術
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1993 年 29 巻 4 号 p. 837-844

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抄録

我々の施設で漏斗胸に対し Rehbein 法を行なった26症例について検討を行なった. 手術時年齢は2歳7ヵ月から10歳であった.金属 strut の留置期間は6ヵ月から24ヵ月であった.手術適応は臨床症状,胸部単純レントゲン写真,呼吸機能検査,心電図,CT などの検査所見,および本人の精神的な負担と家族の希望を考慮し慎重に手術を決定した. Vertebral Index(VI)と Frontosagittal Index(FSI)を用いた分類では, severe が16例, moderate が10例であった.術前に認めた呼吸器感染の遷延などの臨床症状は術後全例で消失した.術前の心電図検査で V1の p波の陰性化や不完全右脚ブロックを認めたがこれらの所見は手術後全例で消失した.術前術後の呼吸機能検査を行えた13症例では術前10例に拘束性障害を認めたがそれらのうち6例が術後正常となった. 1989年以降使用する金属 strut を1対にしてからは,合併症は金属 strut のずれが1例のみであり抜去術に要する時間も短縮した. strut 抜去術後患者の無記名アンケート調査の結果では,大変満足が18%,ほぼ満足50%,やや不満23%,不満9%であり,不満な点は肋骨陥凹の再発と手術創が大きく醜い事が最も多かった.以上より,今後は手術適応と手術時期の検討と金属 strut 抜去の時期も含めた術式の工夫が必要であると考える.

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© 1993 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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