日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
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ISSN-L : 0288-609X
29 巻, 4 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 29 巻 4 号 p. Cover1-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 29 巻 4 号 p. Cover2-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App1-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App2-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App3-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App4-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App5-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App6-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App7-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App8-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App9-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App10-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App11-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App12-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App13-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App14-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App15-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App16-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App17-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App18-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App19-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App20-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 29 巻 4 号 p. App21-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1993 年 29 巻 4 号 p. Toc1-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 臼井 規朗, 鎌田 振吉, 石川 士郎, 奥山 宏臣, 岡田 正
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 775-782
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我々の施設では1988年以来,新生児・乳幼児の気道病変に対して,細径ファイバースコープを用いた気管支鏡検査を行ってきた.今回,我々の気管支鏡検査の経験を報告するとともに,細径ファイバースコープを用いた新生児・乳幼児の気管支鏡検査の意義と問題点について考察を行った. 1988年10月から1992年5月までの3年7ヶ月間に,2歳未満の60例(うち新生児34例)に対して320件の細径ファイバースコープによる気管支鏡検査を施行した.細径ファイバースコープは外径1.8mm先端非弯曲型(FUJINON社製 PF18),および外径2.2mm先端音曲型(OLYMPUS社製 XBF N20-prtotype)を用いた.検査の施行場所は270件がベッドサイド,43件が手術室,7件が外来診察室であった.主な検査の適応は,新生児例では気道の形態異常の精査(47件)や換気不全の原因検索(25件)であった.また,乳幼児例では気道術後の経過観察(119件)や換気障害の精査(47件)であった.検査により多数の気道の形態異常や換気障害の原因が診断された.また,検査による出血や気道損傷などの重篤な偶発症は認められなかった.細径ファイバースコープによる気管支鏡検査には数多くの長所が認められ,新生児・乳幼児の気道病変の診断や,重症呼吸管理症例の治療に今後一層幅広く利用されるものと思われた.
  • 福井 雄一, 川原 央好, 棚野 博文, 福澤 正洋, 鎌田 振吉, 岡田 正, 原田 徳蔵
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 783-788
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    胆道閉鎖症術後経過不良例における肝移植の基準についてはすでにいくつかの検討がなされており,血中総ビリルビン値が10mg/dl以上を持続する状態は一つの適応基準であると考えられている.しかし本邦においては,将来脳死肝移植が開始されたとしてもドナーの不足が十分予想され,その場合移植適応症例の優先度を客観的に判定することが新たな課題になってくると考えられる.そこで当科で経験した胆道閉鎖症術後黄疸残存例のうち,黄疸が漸次増強し血中総ビリルビン値が1Omg/dlを越えるようになった症例を,血中総ビリルビン値が1Omg/dlを越えてから比較的早期に死亡した例と長期生存した例とに retrospective に分類し,これら症例の予後が,血中総ビリルビン値が10mg/dlこなった時点あるいはその前後検査値の推移から予測が可能かどうかを検討し,以下の結果を得た. 1)早期死亡群では,血中総ビリルビン値が1Omg/dlを越えた前後において rGTP, ALP, T.Chol,PT の有意の低下がみられ,さらに血中総ビリルビン値が10mg/dlこなった時点において GPT, rGTP, ALP, T.Chol は長期生存例に比して既に低下していた.2)長期生存例における血中総ビリルビン値が10mg/dlを越えてからの成長発育は,十分な栄養管理のもとでそれなりに保たれていた.以上の結果は,血中総ビリルビン値が持続的に10mg/dlを越えるようになった症例における肝移植の優先度の判定に有用であると考えられた.
  • 脇坂 好孝, 秦 温信, 内野 純一
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 789-792
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我々は,小児神経芽細胞腫のマウス実験モデルを用いてフェリチンがこの腫瘍に与える影響に関して実験を行った.雌性8通齢A/Jマウスの背部皮下に Neuro-2A 細胞10^6個を移植し平均腫瘍径が10mmになった時点で,サイクロフォスファミド (CY) 150mg/kg I.V.を行い,この日から5日間インターロイキン2(rIL-2) 10^4JRU I.V.を連日実施した.さらに,CY 投与後4日目に鉄キレート剤デフェロキサミン(DFO)50mg/kg l.V.を行った.そして,各治療群のマウスの生存率や死亡マウスの平均生存期間を観察した. DFO 単独,CY 単独, rIL-2単独の3群は全て未治療群と同じく無効であったが, DFO と CY や rIL-2の組合せでは有意に高い治療効果が得られた.特にこれら3者の併用群では生存率67%で死亡マウスの平均生存期間57日と最大の効果であった.次にこれとは別に同じ内容の治療を実施した各群のマウスを腫瘍移植後21日目に屠殺して腫瘍組織を摘出し,単位重量当りのフェリチン含有量を測定した. DFO に CY 或は rIL- 2を併用した群ではこの値が有意に低下し特に3者併用群では1.53±0.80μg/gと最小だったが,単独投与群は全て未治療群との間に有意差はなかった.さらに局所増殖型と腹水型の2種の C-1300細胞も用いたが,前者は Neurcr-2A と同程度であったが後者は有意に大きな値となった.以上より,神経芽細胞腫組織内のフェリチン含有量と治療効果や悪性度などの性格とが比較的良く相関し,免疫化学療法の治療効果は鉄キレート剤を併用してフェリチン含有量を低下させることによって大きく増強されることが明らかになった.
  • 上野 滋, 石田 治雄, 林 奐, 鎌形 正一郎, 藤隅 幹夫, 横山 清七
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 793-800
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我々は,根治手術前の男7女7例の直腸肛門奇形症例,男2女1例の対照例計17例に各臓器の位置・形態をより容易に立体的に把握するためにX線 CT像からコンピュータ・グラフィックスを用いた3次元表示と画像解析を用いた骨盤底筋群の3次元的定量化を試みた.その結果,低位型例では瘻孔が外肛門括約筋の前方を貫く様子が,男児中間位・高位型例では骨盤底筋群の立体的な位置・形態が容易に把握できた. cloaca 例においても各臓器の位置関係が立体的に把握できた.骨盤底筋群の発育については男女とも低位・中間位型例に対照例より筋群量が多い例があったのに対し,高位型例では筋群量は対照例より少ない傾向が示された.
  • 土岡 丘, 藤原 利男, 小川 富雄, 黒須 勇作, 福永 研, 木島 金夫, 町田 尚美, 池口 祥一, 信田 重光
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 801-809
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    先天性胆道拡張症(CBD)において膵管胆道合流異常がその成因として重視されている. ERCP を施行した小児 CBD 27例に対し,拡張形態,合流形式,副膵管の開存および臨床症状について検討した.拡張形態に関しては CBD 27例中紡錘状拡張を呈したものが13例であり,肝機能障害が13例中10例(76.9%)に,高アミラーゼ血症が13例中7例(53.8%)に認められた.嚢腫状拡張を呈したもの14例では肝機能障害が14例中13例(93.9%)に,高アミラーゼ血症が14例中3例(21.4%)に認められた.合流形式に関しては,拡張形態が紡錘状拡張を呈したもの13例では胆管合流型が8例,膵管合流型が5例であった.嚢腫状拡張を呈したもの14例では全例が胆管合流型であった.胆管合流型では肝機能障害が22例中19例(86.4%)に,高アミラーゼ血症が22例中7例(31.8%)に認められた.一方,膵管合流型では肝機能障害が5例中4例(80.0%)に,高アミラーゼ血症が5例中3例(60.0%)に認められた.副膵管の開存は紡錘状拡張を呈したグループでは膵管合流型の1例(13例中1例, 7.7%)のみであったが,嚢腫状拡張を呈したグループ(全例が胆管合流型)では14例中7例(50%)に副膵管を認めた.膵炎の合併の少ない嚢腫状拡張では副膵管の開存が高率に認められ,一方紡錘状拡張ではその存在がきわめて少いことは, CBD において副膵管の開存はドレナージ・システムとして重要なばかりでなく, CBD の発生原因および胆道の拡張形態の発生のメカニズムにおいて何らかの関連性があると考えられた.
  • 三浦 博光, 澤 直哉, 松崎 幸子, 天野 教之, 宮田 章平, 前田 朝平
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 810-815
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    小児鼠径ヘルニア手術においてブピバカインを用いた滴下浸潤麻酔を行い術後鎮痛効果について調べ,また血中濃度を測定し安全性について検討した.片側鼠径ヘルニアの手術を施行した1.5〜11歳の患者30名を無作為に3群にわけた.グループ1は外腹斜筋腱膜縫合直前に0.25%ブピバカイン0.25ml/kgを創部に直接滴下し浸潤麻酔を行う群で,浸潤時間は2分間とした.グループ2では1の操作に加えさらに外腹斜筋腱膜切開直後にも同様に滴下浸潤麻酔を行った.対照として鎮痛をしない群をグループ3とした.鎮痛の効果判定は術後一定時間後に姿勢・啼泣・不安・体動・血圧について観察することにより行った.各項目について0から2点の点数をつけ,その合計点をペインスコアとし点数が少ないほど疼痛が弱いと判定した.グループ1と2は,グループ3に比ベペインスコアは長時間にわたり十分な低値を示し,症例ごとの各時間のペインスコアを合計した平均値ではグループ1と2では差がなく,1と2は3に比べ有意に低値を示した(各々p<0.05). また悪心・嘔吐などの副作用は認められなかった.ブピバカインの血中濃度はグループ1と2の中から無作為に抽出した13名で測定した.グループ1は2より低い傾向を示し,それぞれの最高値はグループ1では0.44μg/ml, 2では0.76μg/mlで共に安全域にあると推測された.従ってブピバカインによる滴下浸潤麻酔は安全でかつ十分な術後鎮痛効果を示し,さらに1回と2回の滴下では効果に差がなく1回のみの滴下で十分であると考えられた.
  • 黒岩 実, 長町 幸雄, 高橋 篤, 鈴木 則夫, 松山 四郎
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 816-822
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    化学療法後に生ずる白血球減少に対し遺伝子組換えヒト類粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を使用した神経芽腫4例,肝芽腫並びに malignant ectomesenchymoma 各々1例,計6例の悪性腫瘍患児を対象とし,対照期と G-CSF 投与期における白血球(好中球)数の推移と好中球機能(0_2^-変生能および MPO 活性)について検討し,以下の結果を得た.対照期の白血球数は化学療法後7日から10日で最低となり,2週間以降に回復に向かったのに対し, G-CSF 投与期では投与後3-4日で増加し始め,1週間で全例が正常数となった.白血球数2000未満の期間は対照期の12.1±3.7日に対して投与期は5.4±0.7日で著明に短縮し(P<0.05),重症感染症を高率に起こす好中球数500未満の期間は10.5±2.9対5.3±1.8日と投与期で有意に短かった(P<0.05).白血球(好中球)数最低値は対照期で高かった(P<0.05).好中球0_2-産生能は化学療法施行前に較べ施行後は著明に抑制されたが(刺激物質が OZ, FMLP でPP<0.05, PMA では NS),G-CSF の投与により化学療法前値以上になり,有意に増強された(OZ,FMLPでP<0.05). PMA 刺激での増強は認められなかった. MPO 活性も同様に抑制されたが, G-CSF 投与により増強し,前値以上にまで回復した.以上から G-CSF は(1)白血球(好中球)数の最低値の底上げ効果はないが,その回復を著明に促進する. (2)膜 receptor を介して個々の好中球酸素依存性殺菌能を亢進させ,白血球(好中球)減少による感染の risk を軽減する (3)化学療法を予定通り,充分かつ円滑に行うための有力な補助手段となることが明らかとなった.
  • 佐藤 恭信, 北村 享俊
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 823-830
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    喉頭軟化症では,喉頭の組織が脆弱であるため,吸気時喉頭蓋や披裂喉頭蓋ヒダおよびアリテノイドなどが内側に偏位する.その機序については現在もなお不明な点が多い.本症の診断は内視鏡検査による吸気時喉頭部気道狭窄所見よりなされる.喉頭軟化症21例のうち retrospective に検討し得た16例,および対照症例として呼吸障害のない他疾患患児15例の喉頭内視鏡検査時の画像を検討し,喉頭の形態の類型化および吸気時気道狭窄の定量化をおこなった.1)喉頭の形態:喉頭蓋は, Fragile 型と Firm 型の2型に分類された.喉頭軟化症例の12例および対照症例の2例では Fragile 型であった.披裂喉頭蓋ヒダは, Arytenoid 型と Tubelculum 型の2型に分類された.喉頭軟化症例の13例および対照症例の10例では Arytenoid 型であった.喉頭軟化症例では Fragile 型およびArytenoid 型が多く認められた.2)吸気時喉頭部気道狭窄の定量化:喉頭蓋左右起始部間の距離(a)と,披裂間切痕よりこれに直交する距離(b)とから喉頭部気道面積(a×b)を設定算出し,この面積の呼気時に対する吸気時の比(以下I/E Index)を求めた. I/E Index は,本症例では0.191±0.145 (I/E Index<1) であり,対照症例では3.080±2.138 (I/E lndex>1)であった. I/E Index により喉頭軟化症の定量的な診断が可能であった.
  • 鎌形 正一郎, 石田 治雄, 林 奐, 菅藤 啓, 広部 誠一, 平林 健
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 831-836
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    過去20年間に経験した新生児の gastroesophageal reflux disease (GERD) 37例で,上部消化管造影検査と上部消化管内視鏡検査の所見を対比した.内視鏡検査でびらん・潰瘍を伴った食道炎と診断された27症例のうち18例(66.7%)に,造影検査上食道壁の不整あるいは潰瘍を認めた.一方,造影検査上異常所見を認めた19例のうち18例(94.7%)に内視鏡検査で,びらん・潰瘍を伴った食道炎を認めた,従来より,小児特に新生児や乳児の上部消化管遺影検査は胃から食道への逆流の有無や程度のみを問題としており,逆流の有無に false positive, false negative が多いことから信頼性に乏しいとされていた.しかしながら,二重造影法を併用した上部消化管造影検査は,食道粘膜の異常を高い頻度で診断でき,びらんや潰瘍を伴う食道炎の存在を予測する良い指標であることが判明した.
  • 畠山 元, 永原 暹, 東 孝, 川崎 史寛, 中村 哲郎, 辻 尚人, 柏井 朗, 河田 晴子, 中村 資朗
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 837-844
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    我々の施設で漏斗胸に対し Rehbein 法を行なった26症例について検討を行なった. 手術時年齢は2歳7ヵ月から10歳であった.金属 strut の留置期間は6ヵ月から24ヵ月であった.手術適応は臨床症状,胸部単純レントゲン写真,呼吸機能検査,心電図,CT などの検査所見,および本人の精神的な負担と家族の希望を考慮し慎重に手術を決定した. Vertebral Index(VI)と Frontosagittal Index(FSI)を用いた分類では, severe が16例, moderate が10例であった.術前に認めた呼吸器感染の遷延などの臨床症状は術後全例で消失した.術前の心電図検査で V1の p波の陰性化や不完全右脚ブロックを認めたがこれらの所見は手術後全例で消失した.術前術後の呼吸機能検査を行えた13症例では術前10例に拘束性障害を認めたがそれらのうち6例が術後正常となった. 1989年以降使用する金属 strut を1対にしてからは,合併症は金属 strut のずれが1例のみであり抜去術に要する時間も短縮した. strut 抜去術後患者の無記名アンケート調査の結果では,大変満足が18%,ほぼ満足50%,やや不満23%,不満9%であり,不満な点は肋骨陥凹の再発と手術創が大きく醜い事が最も多かった.以上より,今後は手術適応と手術時期の検討と金属 strut 抜去の時期も含めた術式の工夫が必要であると考える.
  • 井上 匡美, 竹中 博昭, 角村 純一, 三木 康彰, 別所 俊哉, 大畑 俊裕, 横地 啓也, 野瀬 恵介, 永井 勲
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 845-848
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    小児の腹部鈍的外傷は患児の訴えが曖昧なためにその診断が難しいとされ,以前は試験開腹が行われることも多かった.しかし画像診断が進歩してきた近年,その手術適応はより厳格になってきていると思われる.膵外傷の場合,受傷直後は腹部所見に乏しくかつCT検査や超音波検査で膵の形態的変化がとらえられることは稀である.今回我々は,交通事故で腹部を打撲し腹痛を訴えて来院した3歳の男児に対し,全身麻酔下に試験的腹腔鏡を施行した.腹腔内に少量の腹水を認め,腹水中の Amylase 値を測定したところ,146,500IU/lと高値であったため膵外傷と診断し開腹手術を施行した.試験的腹腔鏡は開腹手術の適応の判断材料として意義深いものであり,小児に対しても全身麻酔下に安全に施行し得た.
  • 溝江 昭彦, 林 〓欽, 正 義之, 古川 正人
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 849-854
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    胆道閉鎖症で胆嚢摘出術・総肝管十二指腸端側吻合術後,21年目に内視鏡的逆行性胆道造影 (ERC) を施行し得た症例を経験した.症例は21歳,女性で,生後58日目にI型胆道閉鎖症で上記手術を受け,11歳時に腸閉塞で手術を受けた他は経過良好であった.今回,心窩部痛・肝機能障害を認め当院に入院した.検査データで胆道系酵素が高値を示し,腹部 X線像で肝内胆管ガス像を認めた.腹部超音波検査・CT 検査では肝腫大や腫瘤はなく,胆道シンチで良好な胆汁排泄状態を認めた.内視鏡所見では十二指腸乳頭部は大きさ,形態とも正常で吻合口は上十二指腸角前壁側にあり径4mmで炎症所見を認めなかった. ERC 造影所見で胆管は一次分枝が径7mmで,二次分枝以上の胆管は微細で不整な網目状分枝を示した.肝内結石は認めなかった.この特異な胆内胆管形態は,肝内胆管の未成熟な状態あるいは正常胆管の破壊された状態が示唆された.
  • 田村 元, 阿部 毅, 浜田 弘巳, 佐々木 文章, 秦 温信, 内野 純一, 高橋 明弘, 合田 敏光, 阿部 弘, 野島 孝之
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 855-861
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    腎芽腫と脳腫瘍の合併例を経験した.症例は5ヵ月男児で,生後より顔面神経麻痺であった.生後4ヵ月時に右側脳室腫瘍と小脳腫瘍の診断のもと摘出術を受け,それぞれ PNET, 髄芽腫と診断された.5ヵ月時腹部腫瘤に気付き両側賢芽腫と診断された.術前 AM-D,VCR を投与後摘出術がなされた.大きさは左右それぞれ8.5×6.0cm 110g, 4.5×4.0cm 40gであった.リンパ節転移は認めなかった.組織学的には腎芽腫の不全型,その他と診断されたが賢明細胞肉腫や腎横紋筋肉腫様腫瘍との鑑別が必要と思われた.術後化学療法, 30Gy の全脳放射線照射がなされたが,最初の手術後4ヵ月で賢芽腫の再発により死亡した.剖検では多発性肺転移,局所再発,腹腔内播種性転移,また脳腫瘍の微小な髄内播種性転移が認められた.日本語,英語論文より15例の賢芽腫と脳腫瘍の合併例を集めた.大半は横紋筋肉種様腫瘍と Roke の言うところの PNET の合併例であり,予後は不良であった.
  • 秦 信輔, 窪田 昭男, 吾妻 達生, 高橋 英治, 藤村 正哲, 市場 博幸
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 862-866
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例は生後10日目の女児で出生時体重は550g. 胃内残乳増加,腹部膨満の後,腹部レントゲンにて free air が出現し壊死性腸炎の疑いにて開腹した.空腸にて腸重積が認められ重積ロ側端に穿孔が認められた.重積腸管約10cmを切除し一期的吻合術を行った.術後は経過良好であった.国内外の文献より新生児期小腸重積症24例を集計した結果,未熟児症例が約半数を占め,生後5日以内発症例が24例中18例と早期発症例が多い.先進部に腸重積の原因となる異常を有する症例は24例中6例で残りはいわゆる特発性と言われる症例であった.症状は腹満,嘔吐,下血など壊死性腸炎と同様の症状を呈し壊死性腸炎との鑑別が困難であると考えられた.治療は小腸切除一期的吻合が可能であり予後の良好な疾患である.
  • 松田 健, 江上 格, 渡辺 章, 和田 雅世, 吉村 和泰, 恩田 昌彦
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 867-873
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    Segmental Dilatation of the Intestine(腸管部分拡張症)は1959年の Swenson らによる発表以来,93例が報告されているに過ぎず,比較的稀な疾患として知られている.われわれが経験した症例は3歳・男児で,腹痛などを主訴として来院した.消化管 X線透視検査で回腸の一部に限局した拡張部を認め,RI シンチ検査にて上腹部の一部に異常集積像をみた.開腹すると,回腸末端から約50cm口側部に限局的な拡張部が存在し,さらに腸回転異常症の合併を認めた.回腸の拡張部を切除後端々吻合し,腸回転異常に対しては Ladd の手術を併せて施行した.切除標本には,一部に異所性胃粘膜の迷入と潰瘍形成を認めたが, Auerbach 神経叢には正常な ganglion cells が存在していた.本疾患の原因に関しては諸説があるが,治療法は本症例を含めて殆どの報告例で限局した拡張腸管を切除し端々吻合を行うことによって良好な結果が得られている.
  • 中島 浩司, 杉本 徹, 四方 卓磨, 細井 創, 峯 宏, 川勝 秀一, 澤田 淳, 岩井 直躬, 常盤 和明, 杉原 洋行
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 874-879
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    マススクリーニングで尿中 VMA,HVA 高値を指摘され,エコー検査にて発見された骨盤部神経芽腫の1例を経験した.骨盤部神経芽腫は神経芽腫総数の3-8%で認められ,本邦では文献的に6例,また我々のおこなった1歳未満の神経芽腫の調査で15例の計21例が報告されている.骨盤部神経芽腫は副腎原発のものに比して予後は一般的に良好とされている.その理由は腫瘍の大きさ,祖織所見にかかわらず,病変が限局しているためと考えられる.我々の調査のうち病期 IV A の2例をのぞく88%(13/15)が生存中である.機能的予後に関しては直腸膀胱障害を残すことが多く,過去の報告の1例に直腸膀胱障害,我々の調査の1例に水腎症,尿管狭窄をみとめた.以上骨盤部神経芽腫はその病期に比して生命予後は良好であるが,膀胱直腸障害を生じる可能性があるため,早期発見は重要である.
  • 中尾 真, 水田 祥代, 山田 耕治, 田口 智章, 山口 耀子
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 880-885
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    胃粘膜を有する胸腹部消化管重複症に消化性潰瘍を併発し気道に穿孔し喀血をきたした症例を経験したので報告する.患児は1ヵ月男児,血痰,チアノーゼ,右胸部異常陰影を主訴として来院した.腹部超音波検査, CT, 気道吸引液の pH 検査から胸部消化管重複症が疑われた.手術所見では右後縦隔に消化管重複症が存在し,内腔に発生した多発性消化性潰瘍のうち1つが右肺下葉に穿通していた.また重複消化管は横隔膜を貫き空腸と交通していた.胸腹部にまたがる消化管重複症はまれで本例は本邦で9例目,そのうち喀血や血痰を呈したものは本例を含めて2例のみであった.
  • 臼井 規朗, 鎌田 振吉, 松尾 吉庸, 福井 雄一, 石川 士郎, 奥山 宏臣, 岡田 正, 島崎 靖久, 妙中 信之
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 886-893
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    Pulmonary artery sling を合併した広範囲先天性気管狭窄症は稀な疾患であり, その予後は不良である.最近我々は2例の本症を経験し,1例を救命し得た.症例1は鎖肛に対する人工肛門作成術後より呼吸困難を来たした日齢0の女児.心房中隔欠損症および動脈管開存症を合併した本症と診断し,人工心肺下にこれら疾患の一期的根治術を施行した.術後6日目より呼吸循環不全の状態に陥り, extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)を開始したが,多臓器不全となり術後11日目に死亡した.症例2は反復する呼吸困難のため当科に入院した生後6ヶ月の女児.動脈管開存症を合併した本症と診断し, ECMO施行下に一期的根治術を行った.術後の経過は良好で,2年8ヶ月後の現在も呼吸器症状を認めていない.症例報告に加えて,本症の診断および術中術後管理を中心として文献的考察を行った.
  • 野中 杏栄, 山口 宗之, 北原 信三, 小林 格, 倉岡 由美子, 中村 博志, 渡邊 聖, 工藤 玄恵
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 894-899
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    腸回転異常症における中腸軸捻転により広範囲腸管壊死性変化をきたした日齢13日男児に,初回手術から18時間後に Second look operation を施行した.罹患腸管の著しい血行改善がみられ,腸切除することなく閉腹した.術後,腸管通過障害が長く続き第23病日目に腸閉塞症の診断の下に再々開腹術を施行し,回腸の一部が細く,狭窄および閉塞が認められたので約40cmの回腸を切除した.切除腸管の組織検査では腸管壁の微小循環障害による腸管の狭窄および閉塞が数ヶ所に認められた.病理組織所見による血流の立場からみて,血流の最も遠い部分に相当すると考えられる腸間膜付着部の対側の粘膜部分が炎症性肉芽組織や線維瘢痕組織に置換されていた.初回手術により血流遮断が解除されても回復の機会を失ったり,遅れてしまった結果と考えられた.
  • 堀沢 稔, 新実 紀二, 竹内 秀俊, 久野 邦義, 早川 清順
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 900-906
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    全身性血管腫症 (Systemic Hemangiomatosis) は皮膚血管腫に加え内臓諸臓器に血管腫を合併するもので報告は極めて稀である.胸壁の血管腫を初発生病変とした本症の一例を経験した.症例は1ヶ月男児,呼吸困難を主訴として入院した.前胸部に血管腫,及び,左胸水を認めた.その後,胸水の増加,貧血,血小板減少,呼吸不全,DIC と進行した.ステロイド剤の投与,放射線照射,栓塞術を行ったが,効果はいずれも一時的で,救命できなかった.剖検では血管腫は前胸壁,胸部脊椎左側,横隔膜,膵,直腸膀胱窩に認められ,臨床病理学的に,全身性血管腫症と診断された.切除不能で,ステロイド療法,放射線療法,栓塞術のいずれの方法も有効でない場合, cyclophosphamide の投与が唯一の救命法であったとの報告もあり,本症にも試みるべきであったと思われた.特に,治療法につき,文献的考察を加え報告した.
  • 日本小児外科学会悪性腫瘍委員会
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 907-927
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 伸, 福富 京, 大川 由美, 田村 元, 高橋 昌弘, 佐々木 文章, 秦 温信, 内野 純一, 藤枝 憲二
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 928-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 福富 京, 佐々木 伸, 大川 由美, 田村 元, 高橋 弘昌, 佐々木 文章, 秦 温信, 内野 純一, 中山 雅之
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 928-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 村上 達哉, 中谷 敦幾, 竹内 恵理保, 笹村 裕二, 俣野 順, 明神 一宏
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 928-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 宮本 和俊, 村木 専一, 池田 康一郎, 久保 良彦
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 928-
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 中村 雅則, 安喰 弘, 馬場 俊雄, 森川 雅之, 小松 作蔵, 池田 和男, 富田 英
    原稿種別: 本文
    1993 年 29 巻 4 号 p. 928-929
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
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