腸回転異常症における中腸軸捻転により広範囲腸管壊死性変化をきたした日齢13日男児に,初回手術から18時間後に Second look operation を施行した.罹患腸管の著しい血行改善がみられ,腸切除することなく閉腹した.術後,腸管通過障害が長く続き第23病日目に腸閉塞症の診断の下に再々開腹術を施行し,回腸の一部が細く,狭窄および閉塞が認められたので約40cmの回腸を切除した.切除腸管の組織検査では腸管壁の微小循環障害による腸管の狭窄および閉塞が数ヶ所に認められた.病理組織所見による血流の立場からみて,血流の最も遠い部分に相当すると考えられる腸間膜付着部の対側の粘膜部分が炎症性肉芽組織や線維瘢痕組織に置換されていた.初回手術により血流遮断が解除されても回復の機会を失ったり,遅れてしまった結果と考えられた.