1993 年 29 巻 7 号 p. 1273-1276
食道アカラシアに合併した後天性大腸 hypoganglionosis の一例において,切除大腸の neuron specific enolase (NSE), S-100タンパクを一次抗体とする酵素抗体法によって免疫組織学的検討を行った.大腸全体にわたり,神経細胞の変性,脱落があり,神経細胞の大部分が神経膠細胞に置き変わっていた.腸管壁内神経系の形態的異常の検討には, NSE, S-100タンパクを用いる免疫組織染色は有効な方法と考えられる.