1994 年 30 巻 2 号 p. 308-313
典型的な混合型性腺形成不全症とそれに類すると思われる疾患8例を報告した.初診時の月年齢は1ヵ月から2歳2ヵ月で,主訴は尿道下裂(5例)と ambiguous genitalia (3例)であり,karyotype は45,X/46,XY のモザイク(4例)と46,XY (4例)であった.性腺は一側が精巣で,他側が streak gonad であった.後者では組織学的に未熟な精巣や原子卵胞が認められる症例があったが,これらも本症の類縁疾患とみなした.社会的性は性腺腫瘍発生などの点から女子にすべきという指針もあるが,自験例では戸籍上の問題などのため結果的には男子が6名,女子が2名となった.治療は性に応じて尿道形成術,陰核形成術,膣形成術,性腺摘除術などを行った.男子の陰嚢内精巣は温存したが,この場合は長期間にわたる厳重な監視が要求される.