日本小児外科学会雑誌
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腎血管性高血圧症と続発性アルドステロン症を合併した後腹膜奇形腫の1例
餅田 良顯宇野 武治原田 幸雄松下 卓本郷 輝明狩野 博嗣池谷 健香川 二郎
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1995 年 31 巻 2 号 p. 248-256

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抄録

一般に後腹膜奇形腫は腹部膨満,腹部腫瘤にて発見されることが多いが,今回我々は,腹痛嘔吐,多飲多尿,タンパク尿,低カリウム血症,高血圧,腹部腫瘤と多彩な症状を呈した4歳,男児の1例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症状は左後腹膜成熟型奇形腫が増大し,左腎動脈及び左腎を圧排,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系が賦活化されたことにより引き起こされたと考えられた. すなわち,腎血管性高血圧症と続発性アルドステロン症を合併した後腹膜奇形腫であると思われた. 手術は腫瘍被膜下を走る左腎動静脈を剥離,左腎,左副腎を温存し,全摘術を施行した. 術前,大量の各種降圧剤に不応性であった高血圧は,術後,軽快し,降圧剤を中止した. また,その他の症状も消失した.

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