日本小児外科学会雑誌
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停留精巣組織の定量的検討 : 術中生検の結果とその意義
山崎 雄一郎家後 理枝鈴木 万里東間 紘
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キーワード: 停留精巣, 精巣生検, 精細胞
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1995 年 31 巻 5 号 p. 744-747

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抄録
停留精巣における精巣組織の定量的検討法として,1精細管あたりの精細胞を計測する germcell count による検討か欧米より報告されている.当科における25例の停留精巣症例の germ cell count を測定し,患児の年齢,精巣の位置による検討と欧米の報告との比較を行った. germ cell count は25例中24例で低値を示し,欧米の報告にくらべ手術至適年齢と言われる1歳台での著しい低下が認められた.精巣の位置との関係では,外鼠径輪より近位の精巣で遠位のものにくらべ germ cell count の低下が高度であった.しかしながら精巣固定術以外に適切な治療法を持たない現在,術中精巣生検の結果は個々の治療には反映できておらず,生検の臨床的妥当性は少ないと考えられた.
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© 1995 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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