日本小児外科学会雑誌
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可及的小切開にて摘出し得た8歳女児卵巣嚢腫茎軸捻転の一例
佐々木 隆士長谷川 利路桂 長門吉岡 泰彦角村 純一奥田 修司出沢 亨清水 克彦田中 智之永井 勲
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1995 年 31 巻 5 号 p. 799-803

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抄録
近年,内祖鏡下手術など可及的に侵襲を少なくする手術が試みられている.今回我々は下腹部の可及的小切開にて嚢腫を摘出し得た小児卵巣嚢腫茎軸捻転の1例を経験した.症例は右下腹部痛・下腹部腫瘤を訴える8女児で,超音波・CTで石灰化を伴う約10cmの嚢腫を下腹部に認めた.全身麻酔下に腫瘤は可動良好となり腹腔内に遊離する卵巣嚢腫茎軸捻転と考え,約4cmの下腹部横切開で開腹,嚢腫を穿刺し血性内容液300mlを吸引した後,腹腔外に脱転し嚢腫のみを摘出し得,卵巣を温存した.病理学的に成熟奇形腫であり,術後疼痛を殆ど訴えず経過良好であった.小切開法間服術は卵巣嚢腫摘出に際し,小侵襲性,美容上の利点のある手技と思われる.
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