2023 年 34 巻 6 号 p. 401-406
(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) のグリーンイノベーション基金事業にて開発に取り組んでいる「Carbon Pool コンクリート」は,コンクリート系廃棄物を資源循環して使用する新たなカーボンニュートラルコンクリートである。コンクリート塊は年間 3,690万 t ,残コンクリート (残コン)・戻りコンクリート (戻りコン) は 225万 m3 発生しており,セメント水和物を多量に含むことから二酸化炭素 (CO2) の固定には有利な材料である。それぞれの材料には水分とともに CO2 ガス供給によって,ほぼ目標どおりの固定量を達成する見込みである。今後,さらに効率的な固定方法やコンクリートへの固定方法を検討していく予定であるが,単純に使用材料の固定量だけでなく,その処理方式,使用する CO2 の状態,処理プラントの適地選定等を LCA の観点から十分に評価して進める必要がある。