日本小児外科学会雑誌
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手術を要した Peutz-Jeghers 症候群の2例
毛利 成昭東本 恭幸岡 成光大畠 雅之西島 栄治連 利博津川 力
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1996 年 32 巻 4 号 p. 722-726

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抄録
症例1は, 6歳の男児. 出生直後より口唇の色素沈着を認めていた. 著明な貧血と巨大胃ポリープのため当科に紹介になった. 胃流出路障害のため胃切開・ポリーブ摘出術を行った. 症例2は, 13歳の女児. 2歳の時に口唇の色素沈着により Peutz-Jeghers 症候群 (以下 P-J 症候群) と診断された. 12歳時に胃・下行結腸ポリープに対して内視鏡的ポリペクトミーを受けている. その後腸重積をきたしたため緊急手術となった. ポリープの集蕨部分を切除すると共に小腸に10ケ所の切開を置き可能な限りポリープを摘出したか, 1年3か月後に小腸造影でポリープの増大を認めた. この2例の経験から, P-J症候群のポリープに対しては, 内視鏡的アプローチの容易な胃・大腸では定期的な内視鏡的ボリペクトミーを施行し, 手術の際には術中内祝鏡を利用するなどしてポリープの遺残がないようにすることか重要と思われた.
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