1996 年 32 巻 6 号 p. 932-936
症例は,在胎37週, 2758g で出生した女児.ヒルシュスプルング病の診断にて生後13日目に開腹し,術中迅速病理診にて回盲部より20cm 口側まで神経節細胞を認めず,全結腸型と診断.回腸瘻造設にあたり,木村法に準じて,無神経節回腸と回盲部を切除し,横行結腸を中央部で離断し,15cm の有茎右半結腸と正常回腸の末端部との間に,自動吻合器 (GIA) を3本用いた側々吻合を行って回結腸側々吻合節を作製し,その下端を左下腹壁に固定して人工肛門とした.術後の慢性は軟便から有形慢を維持し,順調な経口栄養と体重増加が得られ,生後9ヵ月目に,無神経節の左結腸を切除し,側々吻合節を Soave 変法にて直腸筋筒内に pull-through した.患児は10歳の現在,極めて経過良好である.