日本小児外科学会雑誌
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先天性胆道拡張症に胆管癌を合併した15歳女児例
栗山 裕川村 健児榎本 秀樹浅沼 勝美
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1997 年 33 巻 2 号 p. 314-318

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抄録

症例は15歳女児.9歳時に先天性胆道拡張症と診断されたが, Sturge-Weber 症候群のため手術を施行しなかった.今回超音波検査にて胆管腫瘤が発見され,腫瘍マーカーの上昇,CT スキャンでの contrast enhacement より,先天性胆道拡張症に合併した胆管癌の診断にて手術を施行した.腫瘍は通常の肝外胆道切除・肝管空腸吻合術で切除可能であった.総胆管内胆汁アミラーゼ値は22,300 IU/l と異常高値であった.病理組織は高分化型管状腺癌であった.文献的に検索しえた範囲で,本例は先天性胆道拡張症に胆道癌を合併した第3番目の年少例である.先天性胆道拡張症では,20歳未満の内瘻術後例および初回手術例での胆道癌合併が報告されており,年少児でも待機することなく,診断がつきしだい,遺残胆管を残さずに嚢胞を完全切除すべきである.

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© 1997 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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