1997 年 33 巻 4 号 p. 782-786
症例は31歳女性. 1964年11月,胆道閉鎖症 (I-b-α) にて生後86日に総胆管十二指腸側々吻合術が施行され,黄疸は消失し経過良好であった. 1983年8月 (19歳時) に,胆管炎の反復により,胆嚢摘出,総胆管切除,肝管十二指腸間有茎空腸間置術を施行した. 1995年11月,発熱,心窩部痛,黄疸が出現し,超音波検査,CT にて肝内結石,肝内胆管拡張を認め,入院後 PTCD を施行するも,左右肝内胆管に大きな結石が充満しており,減黄が図れないため,1996年1月22日手術を施行した. 肝臓は1983年手術時よりも著明に肝硬変が進行していた. 前回吻合部の肝管より切石を試みるも不十分のため肝左葉切除,結石切石術,空腸により胆道再建術を施行し,術後経過は順調であった.