日本小児外科学会雑誌
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回腸穿孔を合併した meconium disease の1極低出生体重児例 : 新生児壊死性腸炎 (NEC) が疑われた症例
大津 一弘古田 靖彦宮崎 政則山崎 武美横山 直樹福原 里恵福原 敏行
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1997 年 33 巻 4 号 p. 776-781

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抄録

我々は術前に新生児壊死性腸炎 (以下 NEC) と鑑別できなかった meconium disease の極低出生体重児例を経験したので報告する. 症例は生後7日の男児. 在胎30週,出生時体重1436g で生後2日目に動脈管開存 (以下 PDA) の閉鎖目的でインドメタシンの投与を行った. その翌日から腹部単純レ線にて腸管拡張像が出現した. 日齢7に腹部単純レ線で腹腔内遊離ガス像を認め開腹し,meconium disease による回腸穿孔と診断した. impending rupture も伴っていたため,胎便充満部を一括切除し端々吻合した. 病理学的に NEC は否定され,壁内神経細胞も正常であった. 術後経過は良好である. meconium disease が疑われた際には注腸検査が第一に行われるが,我々の症例のごとく NECが疑われた場合これは禁忌になり,診断上の pitfall と思われた.

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