日本小児外科学会雑誌
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化学療法施行後に生じた Abdominal Cocoon の 1 例
毛利 成昭高野 邦夫荒井 洋志大矢知 昇長阪 智腰塚 浩三多田 祐輔
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2000 年 36 巻 7 号 p. 1090-1095

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抄録
Abdominal cocoon(以下本症)は, 腹腔内臓器が線維性の皮膜で覆われる原因不明のまれな疾患である.今回われわれは肋骨原発骨肉腫の治療経過中に発症した14歳の女児例を経験したので報告する.患児は1年前に左第4肋骨原発骨肉腫にて原発巣切除を受け, T-20プロトコールの化学療法を受けていた.腹痛, 胆汁性嘔吐で発症し某院を受診した.開腹歴はなく, 原発性イレウスと診断され当院へ転院となった.骨肉腫の腹腔内再発の可能性も否定できなかったため緊急手術を行った.回盲部から7cm口側回腸に白色, 光沢のある皮膜で覆われた柔らかい腫瘤を認めた.皮膜を切除すると正常の回腸が現れ閉塞が解除された.病理組織学的に悪性所見のない線維性結合組織で, 本症と診断した.術後経過は良好にて第10病日退院した.本例では, 化学療法が本症の発生の一因になったと考えられた.
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