日本小児外科学会雑誌
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小児外科医の国際貢献 : 開発途上国における小児外科の技術移転(<特集>日本の小児外科の将来への提言)
連 利博
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2002 年 38 巻 7 号 p. 1040-1043

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抄録

21世紀におけるわが国の小児外科医の一つの役割として開発途上国への国際貢献を提言した.【途上国支援の経験】著者はNGO活動としてネパールで小児外科の技術指導を行っている.技術協力の対象はネパールの中西部にあり, 1998年11月に開院し, 現在ベッド数75, 月外来患者数は3, 000人, 出産が月144人と急増している母子病院である.2000年9月, われわれは生後16日目の臍帯ヘルニア(体重2.5kg)の一期的腹壁形成術と生後2カ月のヒルシュスプルング病に対する一期的根治術に成功した.われわれは前後3日間滞在したのみで, 帰国後は写真添付の電子メールで術後管理の意見交換を行った.【考察】ネパールは5歳未満児死亡率が1, 000人出生中100人に到達している国であるが, 小児外科の技術移転の対象はこの程度になっている地域が適切だと考える.1人の小児外科専門医の長期滞在は難しく, 指導が散発的になるので複数のチームをつくり短期派遣の継続的な支援のシステムを構築したい.途上国の医療支援を志望する若い人達が増加している事に鑑み, このような機会も小児外科志望へと導く波及効果も期待できる.【提言】アジア小児外科学会に小児外科医の国際貢献を提案し, アジアの友好と相互扶助という基本概念の中で, その手段と方法を話し合う.

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