日本小児外科学会雑誌
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新生児胃未熟奇形腫の1例
荒木 夕宇子松藤 凡西村 奈穂草川 功
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2005 年 41 巻 2 号 p. 221-225

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抄録

極めて稀な, 新生児の胃原発未熟奇形腫を経験したので報告する.小児期に発見される性腺外未熟奇形腫は予後良好であり, 成熟度に関わらず全摘出で根治することが可能である.われわれは同腫瘍を出生前超音波検査にて確認し, 生後20日目に胃底部後壁の原発部と共に腫瘍を全摘出した.術後2年を経た現在も再発の兆候はない.本症例では腫瘍が巨大であったため, 術前より胃が圧排・伸展され狭小化しており, 充分な容量の残胃の確保が困難であった.術後には胃底部の縫合部狭窄に対してバルーン拡張術を要した.本疾患の良好な予後を考えると, 胃の合併切除は最小限に抑えて術後の機能温存に努めることが大切と考える.

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