日本小児外科学会雑誌
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尿路感染症にて偶然発見された後腹膜黄色肉芽腫症の1女児例
中村 成宏八木 誠野瀬 恵介野上 隆司吉田 英樹大柳 治正林 義之
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2005 年 41 巻 7 号 p. 975-980

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抄録

患児は6歳女児.難治性の尿路感染症にて入院, 超音波検査およびCTなど画像診断で後腹膜嚢胞性病変, 右水腎症, 右低形成腎, 右水尿管を認めた.レノグラムでは右腎機能は廃絶し, Gaシンチでは右腎部に集積を認め, CA19-9, CA125の上昇もみられたため, 悪性腫瘍の存在も念頭において手術を施行した.腫瘍は肝下面に強く癒着し, 上行結腸に浸潤しており, 腫瘍・右尿管・結腸合併切除術を行った.術後の病理組織では後腹膜原発の黄色肉芽腫と診断された.術後約3年を経過し再発はない.後腹膜黄色肉芽腫は本邦では良性疾患とされているが, 海外報告例では再発例や死亡例の報告もあり良悪性の判断は困難な疾患である.今回われわれは, 本症の1小児例を経験したので文献的検索を加えて報告する.

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