日本小児外科学会雑誌
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門脈血流の増加を呈した脾過誤腫の1例
小角 卓也米倉 竹夫保木 昌徳佐々木 隆士山内 勝治大割 貢大田 善夫
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2006 年 42 巻 4 号 p. 491-496

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抄録
症例は10歳の男児.てんかん重積発作で近医に入院.その際,レントゲン写真で左上腹部に微小石灰化を指摘された.精査にて脾臓内に径5cm大の腫瘍を指摘され紹介となった.入院時の血液生化学上,異常所見はなく,超音波検査,径4cm大のhypoechoic massを認めた.造影CT検査では,腫瘍は造影早期相で濃染され,同時に牌静脈が造影された.MRI検査では,腫瘍は内部均一の充実性腫瘤を認め,T1WIで等信号,T2WIで軽度高信号を示した.腫瘍の動静脈シャントの存在,門脈圧亢進症を併発する危険性や腫瘍の破裂の可能性を考慮し,腹腔鏡下に脾臓摘出術を施行した.術後の病理検査では赤脾髄からなる過誤腫と診断され,術後8日目に退院となった.
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