2008 年 44 巻 5 号 p. 723-727
症例は4歳2か月,女児.急に腹痛・嘔吐が出現し,翌日に近医受診.高度の腹部膨満が認められ,腹部立位単純X線で胃拡張と腸管ガス消失を認められたため入院となった.絶食と胃管挿入で腹痛は消失したが腹部膨満は改善しないため,精査加療目的で入院7日目に当院に転院となった.当科入院後の腹部立位単純X線と上部消化管造影で胃軸捻転症と診断した.経鼻胃管による減圧療法にて症状軽快したため入院7日目に退院となった.その後,家族の希望により発症から43日目に予防的に臍内弧状切開にて胃固定術施行した.術後1年3か月,再発なく術後経過良好である.