抄録
症例は,Noonan症候群の3歳女児.1歳6か月に肺動脈狭窄症に対して胸骨正中切開にて根治術施行された.術後に進行する鳩胸に対して3歳9か月目に胸郭形成術を施行した.しかし,CT検査で胸骨は正中で折れ曲がり癒合していたため,再度,胸骨正中切開を行い,過形成した左右の第4肋骨から第8肋骨の肋軟骨を切除したのち,左右に分離した胸骨を第6肋間の高さでそれぞれ骨折させ平坦にした.骨折させた胸骨の上下とその外側にある肋骨とをプレートで固定した.術中・術後は循環への影響はなく,胸部の安静とflail chestの予防を目的に術後1週間人工呼吸施行した.外見は正常化し術後16日目に退院となった.