日本小児外科学会雑誌
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臍ヘルニアに対する新しい手術術式としての環状切開法
塚田 真実窪田 正幸奥山 直樹平山 裕小林 久美子
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2009 年 45 巻 4 号 p. 706-710

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抄録

【対象と方法】2007年6月から2008年4月までの11か月に,当科で臍ヘルニアに対する環状切開法を施行した10例を対象とした.環状切開法とは臍ヘルニアの中心から直径5〜7mmの環状切開を皮膚に加え,中心部の皮膚をヘルニア嚢とともに切除する方法である.残った管状の皮膚の高さを適切な深さができるようにトリミングした後に内翻させ,臍溝を縦方向(I型臍溝形成)または求心方向に(求心型臍溝形成)形成する手術法である.【結果】10例のうち2例は余剰皮膚の処置にこまるような巨大な臍ヘルニアであったが良好なI型臍溝形成が施行できた.通常サイズの8例において臍窩が深くとれる6例ではI型を,浅い2例に求心型臍溝形成を施行した.自然な臍形態が可能で,臍下弧状切開に比し若干の手術時間の短縮も得られた.【結語】環状切開法は臍中心に陥凹を形成できる簡便で美容的にも優れた方法と考えられた.

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