2010 年 46 巻 2 号 p. 235-238
症例は5歳男児.乳児期より嘔吐が持続し,食後の怒責時などに頻繁に嘔吐がみられていた.他疾患で某病院救急を受診した際の胸部単純X線検査で,食道裂孔ヘルニアが疑われ当院へ紹介となった.上部消化管造影検査で傍食道型食道裂孔ヘルニアの診断とし,腹腔鏡下に食道裂孔修復とDor-Nissen法による噴門形成術を施行した.経過良好で術後9日目に退院した.症状は完全に消失し,再発も認めない.近年,腹腔鏡下手術が普及し様々な疾患に汎用されている.本手術は小児においても低侵襲かつ安全に施行することができる.