日本小児外科学会雑誌
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新生児期にKasabach-Merritt症候群を呈した頸部血管腫の1例
福田 篤久竜田 恭介高橋 由紀子生野 猛
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2011 年 47 巻 2 号 p. 246-250

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抄録

症例は17生日の男児.出生時より左下顎部に拇指頭大の腫瘤を認めていたが,徐々に増大してきたため,17生日に生検目的にて当科紹介入院となった.入院時,左下顎部に小児手拳大の腫瘤を認め,血液所見では血小板数1.6×10^4/μlと減少していた.腫瘤生検の結果,腫瘤はcapillary hemangiomaと判明した.血管腫に合併したKasabach-Merritt症候群(KMS)と診断し,血小板輸血に加えステロイド治療,放射線治療を行ったが効果なく,129生日に70〜80%の腫瘍部分摘出術を施行した.術後,血小板減少は著明に改善した.2年経過した現在,残存血管腫は縮小し血小板数も正常値を保っている.KMSは稀な疾患であるが新生児に発症すると高い死亡率が報告されている.今回,新生児期にKMSを伴って増大した頸部血管腫に対して腫瘍部分摘出術が有効であった1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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