抄録
症例は11歳,女児.右乳房に腫瘤を自覚し徐々に増大してきたため,3か月後に前医受診し,当科紹介受診となる.右乳房全体を占める12×12×9cm大の弾性軟,辺縁平滑,可動性を有する腫瘤を認めた.穿刺吸引細胞診では悪性像は認めず,CEA,CA15-3は正常範囲内であった.画像診断上は線維線腫,葉状腫瘍(phyllodes tumor)などの良性腫瘍が考えられたため,乳房下縁inframammary foldに沿った皮膚切開をおき,可能な限り乳腺を含む周囲組織を温存した右乳房腫瘤核出術を施行した.術中迅速組織診断では良性葉状腫瘍との診断のため,追加切除やリンパ節郭清は施行しなかった.病理診断でも良性葉状腫瘍と診断された.術後3年現在,再発なく乳腺の軽度の発育を認めている.