日本小児外科学会雑誌
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内腔上皮が胆管または膵管上皮と疑われた新生児消化管重複症の1例
柳澤 智彦前田 貢作田附 裕子馬場 勝尚中神 智和辻 由貴久保田 仁守松原 大祐
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2012 年 48 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

症例は日齢0の男児.在胎20週の胎児超音波検査で腹腔内嚢胞を指摘された.出生後施行した腹部エコーで左下腹部に6.6×5.1×6.2cmの嚢胞性病変を認めた.嚢胞壁内縁にechogenic inner rim signを認め腸管重複症と診断した.嚢胞性病変の口側腸管が拡張しており小腸閉鎖の併発が疑われ,翌日,緊急手術を施行した.嚢胞性病変はトライツ靭帯より20cmの空腸腸間膜側にあり正常空腸と隣接していた.空腸と筋層を一部共有していたが内腔の交通はなく,周囲を剥離し病変を切除した.小腸閉鎖はなく,嚢胞性病変の圧迫による通過障害であった.HE染色での壁構造からは小腸の重複症が考えられたが,内腔の粘膜の形態は単層円柱上皮様で,むしろ胆管や膵管上皮に類似していたことが不可解な点であった.免疫染色より胃粘膜の可能性が高いと判断された.嚢胞内圧の増大により内腔粘膜の形態が変化したことが推測された.

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