日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
原著
乳児胆汁うっ滞症に対する胆道洗浄の適応と効果
林 宏昭中村 哲郎東 孝大野 耕一中岡 達雄堀池 正樹銭谷 昌弘
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 49 巻 1 号 p. 19-24

詳細
抄録
【目的】乳児胆汁うっ滞症における胆道洗浄の適応および効果を後方視的に検討した.
【対象と方法】2005 年 5 月~2009 年 4 月までに乳児期に灰白色便および直接ビリルビン優位の黄疸を呈した乳児胆汁うっ滞症例9 例を対象とし,その臨床的特徴と治療経過について検討した.
【結果】9 例中 5 例に対し全身麻酔下に胆道造影を行った.そのうち 4 例で総胆管末端の通過障害を認めたため,十二指腸へ造影剤が通過するまで生理食塩水による洗浄を繰り返し行った.洗浄を行った 4 例中 2 例はすみやかに改善し,残りの 2 例もステロイドパルスを追加し,改善した.1 例は胆道造影を行ったが,通過障害を認めなかったため,胆道洗浄は行わなかった.この1 例を含む残り5 例は全て保存的加療により改善した.胆道洗浄を行った群と保存的療法にて改善した群を比較すると,胆道洗浄群は有意に絶食期間が長く,高カロリー輸液が施行されていた.また画像検査上有意に総胆管拡張や胆嚢内胆泥といった胆道系の異常所見を認めた.
【結論】長期絶食および高カロリー輸液を行っている症例で,画像検査上,胆道系の異常所見を認めた場合,胆道洗浄の適応と考えられた.胆道洗浄のみで一定の効果が期待されるが,不十分な場合,ステロイドパルスとの併用が有効であった.
著者関連情報
© 2013 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top