日本小児外科学会雑誌
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原著
腸重積症に対する腹腔鏡下整復術の有用性
神保 教広内田 広夫田中 裕次郎佐藤 かおり高澤 慎也出家 亨一小岩井 和樹
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2013 年 49 巻 1 号 p. 25-28

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抄録
【目的】腸重積症は乳幼児によくみられる疾患で,約 2 割に観血的整復が必要となる.当院では 2008 年より腹腔鏡下整復術を導入してきたので,その有用性を検討し報告する.
【方法】2008 年 10 月から2011 年 10 月までに観血的整復術を必要とした腸重積症患児 16 例を対象とした.発症年齢,診断,開腹移行,腸管切除の有無などを検討した.
【結果】観血的整復術を要した患児 16 例中,非観血的整復時に穿孔した 1 例は開腹手術を行ったため腹腔鏡手術は 15 例に行われた.腹腔鏡下に整復できた 10 例のうち,1 例は自然に整復されており,2 例は先進部病変を認めたが整復可能で,臍部創を利用して病変部の小腸部分切除を施行した.腹腔鏡下に整復困難であった 5 例は開腹しても用手的に整復することはできず,臍部創の延長もしくは病変部直上に皮膚切開を加えて腸切除を行った.整復困難で腸切除を要した 1例に創部感染を認めた以外に腹腔鏡手術を行った 14 例に,術中・術後合併症はみられなかった.
【結論】腸重積症の整復に関して,腹腔鏡下整復術は開腹手術とほぼ同等に有効と考えられた.腹腔鏡下整復術での問題点として,腹腔鏡下での整復を試みる時間を事前に考慮する必要があると考えられた.腹腔鏡下で整復できなかった症例においても,病変が臍部まで授動できるものは臍部創を利用し,授動出来ない場合も皮切をもっとも適切な位置に置くことができるため,腹腔鏡下整復術は minimally invasive surgery として有用な術式と考えられた.
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