2013 年 49 巻 2 号 p. 220-224
症例は,生後6 日目の男児.在胎38 週1 日,2,506 g にて出生.妊娠分娩経過は正常.生後5 日目より胆汁性嘔吐あり.翌日も嘔吐が続くため,当院小児科に紹介され入院となった.入院後の腹部単純X 線写真にて,多量の腹腔内遊離ガス像を認め,外科紹介された.腹部は膨満しているが軟らかく,腹膜刺激症状は認めなかった.消化管穿孔を疑い,同日緊急手術を施行した.開腹すると腹腔内のガスが排出されたが,膿性腹水は認めず.捻転を伴わない腸回転異常症を認めたが,消化管に穿孔を認めず.Ladd 手術を施行した.術後経過は良好で,術後24 日目に退院した.気腹を呈する腸回転異常症は稀で,気腹の原因として腸回転異常症の関与が疑われた.