日本小児外科学会雑誌
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49 巻 , 2 号
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おしらせ
追悼文
原著
  • 大西 峻, 向井 基, 加治 建, 下野 隆一, 中目 和彦, 桝屋 隆太, 野村 美緒子, 春松 敏夫, 松藤 凡
    2013 年 49 巻 2 号 p. 195-200
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】先天性空腸狭窄症は比較的稀な疾患で腸閉鎖・狭窄症の約5%をしめる.集計報告はみられず自験例および報告例を集計しその臨床像を明らかにする.
    【対象と方法】診療録をもとに自験例4 例の周産期情報,臨床経過を集計した.また自験例と報告例16 例の新生児期症状,診断時年齢,初発症状,狭窄部位,狭窄様式,診断方法,治療法を集計した.
    【結果】自験例4 例の結果:1 例の出生前超音波検査で腸管拡張を認めたが,それ以外の周産期異常はなかった.診断時年齢は,月齢0 ~月齢7 で,新生児期に診断された症例は1 例のみであった.診断時体重は2,794 g(-2.8 SD),6,685 g(-1.5 SD),2,970 g(-3.6 SD),5,868 g(-2.1 SD)であった.全例で嘔吐と体重増加不良を認めた.上部消化管造影で診断がなされ全例で手術が行われた.1 例では術後狭窄に対してバルーン拡張が行われた.
    報告例を含めた20 例の結果:記載のある全例が上部空腸の狭窄であり,大半が膜様狭窄であった.新生児期より嘔吐を認めた10 例中3 例のみが新生児期に診断された.11 例は乳幼児期に嘔吐・腹部膨満・体重増加不良を契機に精査が行われ診断に至っていた.上部消化管造影は13 例に行われ,このうち2 例は十二指腸造影も行われた.1 例は,シネMR 撮像法で診断されていた.治療は1 例で内視鏡的治療が施行された.記載のある13 例で手術が施行され重篤な合併症の報告はなかった.
    【結論】空腸狭窄は先天異常であるが新生児期に診断される症例は少ない.乳児期に繰り返す嘔吐や体重増加不良を認めた場合は,本症も念頭に置き上部消化管造影や十二指腸造影検査を行う必要がある.
  • 佐々木 隆士, 阪 龍太, 野瀬 聡子, 奥山 宏臣
    2013 年 49 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】我々は小児虫垂切除において積極的に単孔式腹腔鏡手術(TANKO)を適用してきた.TANKO と従来の3 ポート法とを比較し,その有用性につき検討した.
    【方法】2008 年から現在までに経験した腹腔鏡下虫垂切除40 例のうち15 例に3 ポート法を,25 例にTANKO を企図した.TANKO の内訳は臍部創吊り上げによる腹腔鏡補助下切除8 例,アクセスデバイスを用いたmulti-channel port 法による完全腹腔鏡下切除4 例,ハイブリッド腹腔鏡補助下切除13 例であった.完遂症例のみ(3 ポート群100%,TANKO 群88%)について,重症度(complicated appendicitis(CA)の割合),手術時間,術後在院日数,術後合併症,創痕への満足度等を後方視的に比較した.
    【結果】TANKO を試みたCA の2 例はポートを追加したためCA は3 ポート群にのみ4 例含まれていた.手術時間はTANKO 群全体では3 ポート群より短かったが,完全腹腔鏡下切除群のみは3 ポート群と有意差がなかった.TANKO 群の術後在院日数は3 ポート群全体より有意に短く,CA 症例を除いた3 ポート群と比較しても短い傾向があった.両群とも合併症は少なく創痕に対する満足度は概ね高かったが,TANKO の1 例で臍の変形に対して臍形成術を要した.
    【結論】小児虫垂切除におけるTANKO は完遂率も高く,手術時間,合併症リスク,術後回復の点でも3 ポート法に劣らないと考えられた.我々は現状ではハイブリッド法が最良と考え第一選択としているが,CA など困難例ではTANKO に拘らずポート追加をするべきであり,また創の延長による臍の変形には十分注意する必要があると考えられた.
  • 矢本 真也, 福本 弘二, 光永 眞貴, 納所 洋, 森田 圭一, 三宅 啓, 金城 昌克, 漆原 直人
    2013 年 49 巻 2 号 p. 207-213
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】C 型食道閉鎖症根治術後の気管食道瘻(TEF)再発は重篤な合併症であり,再発を繰り返し治療に難渋する事も多い.今回われわれは最近経験したTEF 再発例の術式・成績などについて検討した.
    【方法】2001 年~2011 年に当科で根治術を施行したC 型食道閉鎖症34 例のうちTEF が再発した4 例と他院で根治術を施行した後に再発を繰り返し紹介された2 例の6 例を対象とし,診療録を元に後方視的に検討した.
    【結果】TEF 再発に対する手術時年齢は4 か月から5 歳4 か月であった.これら6 例に対して食道と気管閉鎖部の間に生体組織を介在物として用いたTEF 閉鎖術を行った.間置した生体組織は有茎胸膜2 例,有茎心膜2 例,遊離心膜1 例,有茎大網1 例,遊離大腿筋膜と耳介軟骨1 例(重複あり)であった.複数回の手術にかかわらず再発を繰り返し,食道気管肺皮膚瘻となっていた症例に対しては側方開胸が困難で,胸骨正中切開+右前側方切開にてアプローチし,介在物として有茎大網を用いた.開心術後で心膜の癒着があり,TEF の位置が高かった症例では,2 回目の再発時に小さい遊離心膜グラフト形成を余儀なくされ,結果的に3 回目のTEF 再発を認めた.この症例では瘻孔処理の際に気管側の膜様部欠損に対して,耳介軟骨を用いて修復し,介在物に遊離大腿筋膜を用いた.現在,術後1 年~9 年(平均4 年)経過し全例再発は認めていない.
    【結論】TEF 再発例では良好な視野のもと,手術歴,炎症の程度によって瘻孔閉鎖の際に,それぞれの術式の欠点利点を良く理解した上で,最良の生体組織をできるだけ広範囲に間置することが望ましいと考えられた.
  • 大場 豪, 広部 誠一, 新井 真理, 東間 未来, 小森 広嗣, 山本 裕輝, 宇戸 啓一, 加藤 源俊, 小林 真史, 鎌形 正一郎
    2013 年 49 巻 2 号 p. 214-219
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】炎症が軽度の急性虫垂炎では保存的治療が可能であるが,再発が問題となる.われわれは超音波検査(US)で虫垂腫大・壁不整を認めても,パワードップラーで血流が豊富であれば,炎症が可逆的で軽快する可能性が高いことを報告してきた.今回,保存的治療後の虫垂炎に関して,再発した症例の病理所見および,退院1 か月後のUS 所見から,再発の危険因子について検討した.
    【対象と方法】2005 年1 月~2010 年12 月までに当院で急性虫垂炎と診断した連続する374 例のうち,保存的治療により軽快退院した126 例を対象とした.このうち1)再発し手術となった症例の病理所見および,2)退院後US を施行した症例で再発の有無とそれに関与する画像診断上の再発危険因子を検討した.
    【結果】保存的治療後軽快した126 例のうち再発が確認されたのは36 例であった.また,退院1 か月後にUS を施行したのは126 例中65 例であり,このうち再発を17 例に認めた.36 例の再発までの期間は13 日から1,505 日(平均258 日)であり,31 例(86.1%)は1 年以内に再発した.病理所見として,25 例(69.4%)に虫垂の屈曲・狭窄を認め,18 例(50.0%)に虫垂先端部の腫大を認めた.また狭窄部に慢性炎症の所見を30 例(83.3%)に認めた.虫垂の狭窄を認めた症例は,虫垂の先端腫大と慢性炎症が有意に高かった.
    退院後1 か月のUS では先端腫大を認めた症例に有意に再発率が高かった.
    【結論】虫垂の炎症後に狭窄をきたす症例は狭窄のない症例と比べて有意に再発率が高いことが明らかとなった.US で狭窄を直接描出することは困難であったが,先端腫大として描出することは可能であり,再発の危険性を予測することが可能と考えられた.
症例報告
  • 榊原 堅式, 佐藤 陽子
    2013 年 49 巻 2 号 p. 220-224
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    症例は,生後6 日目の男児.在胎38 週1 日,2,506 g にて出生.妊娠分娩経過は正常.生後5 日目より胆汁性嘔吐あり.翌日も嘔吐が続くため,当院小児科に紹介され入院となった.入院後の腹部単純X 線写真にて,多量の腹腔内遊離ガス像を認め,外科紹介された.腹部は膨満しているが軟らかく,腹膜刺激症状は認めなかった.消化管穿孔を疑い,同日緊急手術を施行した.開腹すると腹腔内のガスが排出されたが,膿性腹水は認めず.捻転を伴わない腸回転異常症を認めたが,消化管に穿孔を認めず.Ladd 手術を施行した.術後経過は良好で,術後24 日目に退院した.気腹を呈する腸回転異常症は稀で,気腹の原因として腸回転異常症の関与が疑われた.
  • 髙橋 正貴, 渡邉 稔彦, 田中 秀明, 藤野 明浩, 武田 憲子, 山田 和歌, 山田 耕嗣, 石濱 秀雄, 渕本 康史, 金森 豊
    2013 年 49 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    症例は生来健康な9 歳8 か月の男児.頻回の嘔吐と間歇的腹痛を主訴に紹介受診し,腸重積症と診断.ただちに超音波併用の注腸整復を行ったが明らかな器質的病変は検出できなかった.整復後も腸重積再発を認め,その都度注腸整復を行った.4 回目の整復後に腸管内腔に造影剤を満たした状態でCT を施行したところ回腸内腔に腫瘤性病変を認めたため,器質的な回腸病変による腸重積症と判断し,腹腔鏡補助下に手術を施行した.2 ポートで腹腔内を観察したが病変は同定できなかった.臍から小腸を引き出して観察すると,回盲弁から約50 cm の回腸に病変を触知したため,同部位を含めた小腸部分切除を施行した.病理検査にて,メッケル憩室を伴わない異所性胃粘膜と診断された.
    本疾患の術前診断は困難で,初回手術時に器質的病変が同定されずに複数回手術を施行されることが多い.そのため,術中は注意深い観察が重要であり,器質的な腸重積の原因として本疾患も念頭におく必要がある.
  • 仲谷 健吾, 窪田 正幸, 奥山 直樹, 小林 久美子, 佐藤 佳奈子, 荒井 勇樹, 大山 俊之
    2013 年 49 巻 2 号 p. 231-235
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    症例は,在胎33 週6 日,切迫早産と横位のため帝王切開にて出生した男児.出生体重は2,210 g で,母乳栄養のみで発育は良好であった.52 生日,突然の発熱があり,53 生日に腹部レ線でfree air が認められ,当科搬送後緊急開腹術を受けた.消化管穿孔部位は不明で,腹腔内洗浄のみを施行したが,術後経過に問題なく退院.しかし,86 生日に麻痺性イレウスのため再入院となった.保存的治療にて改善したが哺乳再開5 日後にイレウスが再燃した.これら腹部症状発生数日前に母親の牛乳や生クリームの摂取歴があり,牛乳アレルギーが疑われ,IgE 抗体検査・アレルゲン特異的リンパ球刺激試験を施行したが陰性であった.その後,乳製品制限母乳での栄養を行い,以後順調に経過している.消化管アレルギーは乳児期の消化管穿孔の原因となり,特異的検査でも陰性となることがあり,詳細な病歴聴取が診断に重要である.
  • 久保 裕之, 野田 卓男, 尾山 貴徳, 山田 弘人
    2013 年 49 巻 2 号 p. 236-240
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    今回,我々は腹部造影CT 検査にて診断し,憩室切除にて軽快した上行結腸憩室炎を経験した.症例は11 歳女児.右下腹部痛を主訴に来院.腹部超音波検査にて右下腹部に糞石像を伴う40×30 mm のlow echoic lesion を認めたため,膿瘍形成性虫垂炎を疑い腹部造影CT 検査を施行した.上行結腸の起始部の腸間膜側に,内部に糞石を伴う50×30 mm の腫瘤を認めたものの,虫垂の腫大は認めなかったため,上行結腸憩室炎と診断し緊急開腹手術を施行した.手術は,虫垂切除と周囲の肉芽様組織を含め憩室のみを切除した.術後経過は良好であった.孤発性の結腸憩室炎は腹部造影CT 検査が有用であり,憩室のみの切除にて治癒可能である.
  • 高須 英見, 渡邉 芳夫, 住田 亙
    2013 年 49 巻 2 号 p. 241-245
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    横隔膜挙上症と横隔膜ヘルニアに対して,ラパヘルクロージャーTM(ラパヘル針)を用いて胸腔鏡手術を施行し,その利便性が確認できた症例を経験したので報告する.症例1:右側横隔膜挙上症の9 か月男児.左側臥位,3 ポート.人工気胸下に,弛緩した横隔膜を鉗子2 本でつまみ上げ,非吸収糸を把持させたラパヘル針で刺し込む操作を繰り返し,連続水平マットレス縫合2 針による十分な縫縮を行った.症例2:右側有囊性Bochdalek 孔ヘルニアの8 か月女児.左側臥位,4 ポート.筋層のない背側縁は肋骨の上下に糸をかける形として,水平マットレス縫合9 針でヘルニア門閉鎖を施行した.横隔膜疾患に対するラパヘル針を利用した小児胸腔鏡手術は,簡便かつ安全で,美容的にも優れていると考えられた.
  • 藤代 準, 小野 健太郎, 星野 論子, 新開 統子, 瓜田 泰久, 五藤 周, 福島 紘子, 福島 敬, 金子 道夫, 増本 幸二
    2013 年 49 巻 2 号 p. 246-250
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    副腎皮質癌は小児では稀な固形腫瘍で,特に進行例は予後不良とされる.今回我々は初診時両側肺転移を有した小児副腎皮質癌を経験したので報告する.
    症例は8 歳男児.腹痛を主訴に近医を受診し,腹部腫瘤を指摘され当科紹介入院となった.左季肋部に小児頭大の腫瘤を認め,恥毛と陰茎の発育を認めた.胸腹部CT にて左副腎に最大径13.5 cm の腫瘤性病変と右肺上葉と下葉,左肺下葉に計3 個の腫瘤性病変を認めた.開腹腫瘍生検の後,副腎皮質癌・両側肺転移の診断で左副腎腫瘍摘出術を施行した.術後副腎皮質癌の治療薬として知られているミトタンを含めた化学療法を施行した.7 か月後に右肺転移巣を,1 年4 か月後に左肺転移巣を切除し,病変を完全摘出した.初診から2 年4 か月現在再発を認めていない.
    小児副腎皮質癌に確立された治療プロトコールはないが,本症例の様な進行例では外科的完全切除とミトタンを含めた化学療法が有効と思われる.
  • 岡本 光正, 西島 栄治, 横井 暁子, 中尾 真, 尾藤 祐子, 荒井 洋志
    2013 年 49 巻 2 号 p. 251-255
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    先天性声門下腔狭窄症は輪状軟骨の異常な肥厚に起因したまれな疾患である.今回我々は肋軟骨グラフトを用いた喉頭気管形成術を施行し,従来は有効でないとされていたKTP レーザーを用いて肥厚した輪状軟骨を局所的に術野焼灼し,輪状軟骨部の内腔を開大させた.またこのときレティナを用いて気管切開孔を温存し,術後55 日目に抜去した後,良好な経過をたどり術後1 年2 か月で気管切開孔を閉鎖した.
    このことより,KTP レーザーによる病変部の局所的な焼灼は,肥厚した輪状軟骨に起因した先天性声門下狭窄症に対して有効かつ安全な治療手段になり得ると考えられた.また喉頭気管形成術におけるレティナによる気管切開孔の温存は,安定した気道確保に有用であることが示唆された.
  • 大割 貢, 米倉 竹夫, 山内 勝治, 神山 雅史, 森下 祐次, 木村 浩基
    2013 年 49 巻 2 号 p. 256-260
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    小児腸重積症に対し,単孔式腹腔鏡下整復術を施行した3 症例を報告する.症例は4 歳男児の回腸結腸型,11 歳女児の非観血的整復後に回腸結腸型で再重積を起こした症例,8 か月女児の回腸回腸結腸型の3 例.3 症例とも臍創部に挿入したラッププロテクターTM にE-Z アクセスTM(株式会社八光)を装着し,気腹下にカメラ及び2 本の鉗子を用い,重積腸管の整復と腹腔内検索を行った.全例術後合併症はなく,術後1 週間前後で退院となった.本術式は整容性に優れ,重積先進部の位置によらず重積の解除を行う事が可能であった.また器質的病変に対しても迅速かつ容易に腹腔鏡下手術から直視下手術,さらに再腹腔鏡下手術への移行が可能であった.
  • 松波 昌寿, 小池 能宣, 永田 洋士, 内藤 敬嗣, 草薙 洋, 加納 宣康, 杉野 充伸, 吉本 優里, 帯包 エリカ, 上原 貴博
    2013 年 49 巻 2 号 p. 261-265
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    脾摘により輸血依存から脱した先天性赤血球異型性貧血(congenital dyserythropoietic anemia: CDA)II 型の1 例を経験した.症例は3 歳,女児.胎児機能不全にて在胎28 週5 日に緊急帝王切開で出生した.出生直後より著明な貧血を認め,精査にてCDA が疑われ,定期的な輸血を行ってきた.2 歳時の遺伝子検査で最終的にCDA II 型と診断された.経過中に徐々に輸血の増量が必要となり,2 歳5 か月頃から脾臓が急速に腫大し胆石が出現した.3 歳時に脾臓及び胆囊摘出術を行った.摘出した脾臓は370 g(体重の約3.4%)で,病理組織学的に著明なうっ血とヘモジデリン沈着が認められ,脾機能亢進症が示唆された.経過は良好で術後8 日に退院した.脾摘後1 年の現在,貧血は発生せず輸血から脱却している.
  • 西 明, 黒岩 実, 山本 英輝, 土岐 文彰, 鈴木 則夫, 平戸 純子
    2013 年 49 巻 2 号 p. 266-271
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    総肝管原発のcapillary hemangioma により閉塞性黄疸を生じた極めて稀な症例を経験したので報告する.
    症例は突然の灰白色便,黄疸にて紹介となった2 歳男児.諸検査にて総肝管の著明な狭窄が判明し,開腹狭窄部生検と胆摘,胆道ドレナージを施行した.生検では悪性病変は否定されたが確定診断は得られなかった.
    その後2 か月間経過観察したが狭窄の改善が得られなかったため,肝外胆道切除,肝管空腸吻合を施行した.病理組織検査結果から,juvenile capillary hemangioma と診断された.術後経過は良好で術後5 年経過するが再発を認めない.
  • 大塩 猛人, 森川 康英, 黒田 一
    2013 年 49 巻 2 号 p. 272-276
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/04/20
    ジャーナル フリー
    腹壁の腹膜外に発生した稀な囊胞状リンパ管腫を経験したので報告する.
    3 歳7 か月男児で,膿瘍形成を伴う虫垂炎が疑われ入院した.21 日前に当科にて右交通性精巣水瘤根治術を施行した.再入院時には精巣水瘤の再発は認めず,白血球数は17,590/mm3 で,CRP 値は12.11 mg/dl と高値を示した.輸液と抗生剤による治療を開始した.CT 検査では右下腹部に巨大な多房性囊胞を,US 検査では右鼠径部に小さな囊胞を認め腹腔の囊胞に連なっていた.精巣水瘤術後の感染性囊胞状リンパ管腫と診断した.21 日後腹腔鏡で大網と囊胞の癒着を剝離した.虫垂には異常は無かった.前回の手術創を開き,ほとんどの囊胞を摘出した.遺残した囊胞内にはOK-432 を注入した.摘出した囊胞は,病理学的に囊胞状リンパ管腫と診断された.術後経過は良好で,2 年間再発を認めていない.
報告
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