日本小児外科学会雑誌
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症例報告
脾摘により輸血依存から脱した congenital dyserythropoietic anemia(CDA)II 型の1 例
松波 昌寿小池 能宣永田 洋士内藤 敬嗣草薙 洋加納 宣康杉野 充伸吉本 優里帯包 エリカ上原 貴博
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2013 年 49 巻 2 号 p. 261-265

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抄録

脾摘により輸血依存から脱した先天性赤血球異型性貧血(congenital dyserythropoietic anemia: CDA)II 型の1 例を経験した.症例は3 歳,女児.胎児機能不全にて在胎28 週5 日に緊急帝王切開で出生した.出生直後より著明な貧血を認め,精査にてCDA が疑われ,定期的な輸血を行ってきた.2 歳時の遺伝子検査で最終的にCDA II 型と診断された.経過中に徐々に輸血の増量が必要となり,2 歳5 か月頃から脾臓が急速に腫大し胆石が出現した.3 歳時に脾臓及び胆囊摘出術を行った.摘出した脾臓は370 g(体重の約3.4%)で,病理組織学的に著明なうっ血とヘモジデリン沈着が認められ,脾機能亢進症が示唆された.経過は良好で術後8 日に退院した.脾摘後1 年の現在,貧血は発生せず輸血から脱却している.

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