日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
原著
三管合流部が高い総排泄腔異常症に対する術式の検討
―特に膀胱・膣機能温存の観点から―
東間 未来広部 誠一新井 真理小森 広嗣山本 裕輝宇戸 啓一大場 豪小林 真史鎌形 正一郎佐藤 裕之
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 49 巻 4 号 p. 897-903

詳細
抄録
【目的】総排泄腔異常症(以下本症),とくに三管合流部の位置が高位の症例では長期機能予後が悪いことが問題である.当院では機能温存術式として腹仙骨会陰式partial urogenital mobilization(PUM)(以下本術式)を考案したのでこの術式を報告し,その有用性を検討した.
【方法】当院および当院の前身である清瀬小児病院で根治術を施行した本症20 例のうち,三管合流部がPC 線より高位にある症例7 例について根治術式と術後機能予後を評価し,本術式の有用性を検討した.
【結果】高位症例の現在の年齢は2~31 歳(平均17.3 歳)であった.根治術式は初期には尿道と膣を切離する術式が行われたが,尿道損傷や尿道膣瘻再開通などの合併症を認め,膣狭窄も高度であった.また,排尿機能が不良で全例が間欠的自己導尿(以下CIC)を長期にわたり行っていた.これに対して尿道と膣を切離しない術式として腸管の後方パッチを施行したところCICを幼児期に離脱することができ,膣狭窄も認めなかった.これはこの術式が膀胱機能を温存した結果であると考え,より簡便な術式として本術式を考案した.本術式適用症例は術後長期成績をだすまでに至っていないが,術後合併症を認めず,排尿機能はおおむね良好であり,膣狭窄も認めていない.
【結論】本症の高位症例に対する従来の術式では,排便・排尿・膣の機能予後が不良であることが課題であった.本術式によって児が本来有している機能を温存することが期待される.
著者関連情報
© 2013 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top