抄録
先天性気管狭窄症(以下,本症)に対して新生児期にスライド気管形成術を施行し抜管に至った低出生体重児の1 例を経験したので報告する.症例は在胎35 週1 日,体重1,777 g で出生した女児.出生直後から呼吸困難を来たし気管挿管を行ったが,内径2.5 mm(外径3.5 mm)の気管挿管チューブが声門を超えて気管内へ挿入できなかった.胸部CT で気管上部に限局した狭窄を認め,本症が疑われた.安定した呼吸管理ができなかったため,日齢4 に手術を施行した.気管上部に15 mm 長(全長の28%)の本症を認め,頸部アプローチによる術野換気を用いたスライド気管形成術を行った.術後15 日目に抜管し,現在術後3 か月が経過したが呼吸状態は安定している.スライド気管形成は,特に気管の絶対径が小さい場合に,狭窄が限局した本症に対しても有用な術式である.