抄録
症例は初診時5 歳7 か月の男児.食道閉鎖症および先天性食道狭窄症の術後で,食道の食物通過障害を繰り返すため諸検査を施行した.下部食道狭窄,胃食道逆流(以下,GER)および逆流性食道炎を認め,バルーン拡張術により逆流性食道炎に起因する下部食道狭窄が通過障害の主たる原因と診断した.7 歳6 か月,GER に対する逆流防止術を施行し,術後には食道の通過障害の改善を認めた.本症例は転居,転院を繰り返すなどの理由から逆流防止術の実施までに時間を要したが,手術の効果は良好でQOL も著明に改善した.食道閉鎖症および先天性食道狭窄症の術後にはGER を高頻度に合併することから,長期にわたる綿密かつ慎重なフォローアップが必要である.特に食物の通過障害をきたす症例では逆流防止術による積極的な治療を考慮すべきである.