日本小児外科学会雑誌
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症例報告
大腸ポリポーシスからの下血により貧血を来した結節性硬化症の1 例
住田 亙渡辺 芳夫高須 英見大島 一夫
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2013 年 49 巻 7 号 p. 1248-1251

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抄録

結節性硬化症(以下,本症)に伴う消化管ポリープは随伴症状のひとつとされている.多くは無症状であるが,ポリポーシスからの出血で貧血を来した本症の1 例を経験したので報告する.症例は3 歳男児.新生児期から本症と診断され,他院で経過観察されていた.2 歳時に血便を認め,当院に紹介された.S 状結腸から直腸に無数のポリープが観察された.生検で過形成ポリープと診断され,経過観察となった.6 か月後の再検で同じ範囲にポリープが観察され,血便による貧血が鉄剤投与では改善困難なため,Soave 法によりポリープの存在する腸管を切除した.組織学的に過誤腫性ポリープと診断された.本症は大症状と小症状の組み合わせで診断され,小症状のひとつに直腸の過誤腫性ポリープがある.多くは無症状で治療の必要はないが,肉眼的血便や貧血をきたし出血のコントロールのために切除が必要となることもある.

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