日本小児外科学会雑誌
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症例報告
保存的療法にて治癒した小児十二指腸潰瘍穿孔の1 例
江角 元史郎高橋 由紀子福田 篤久生野 猛
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2014 年 50 巻 2 号 p. 217-222

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抄録
症例は5 歳の男児.夜間,血性嘔吐と発熱があり前医に入院し,翌朝の腹部CT にてfree air を認め当科に緊急搬送された.来院時の体温は38.4°C.腹部は軽度膨満し,上腹部を中心に圧痛があった.CT 所見では上腹部にfree air と少量の腹水を認め,穿孔部は上部消化管であると推測された.全身状態も安定していたことから保存的に治癒しうると判断し,絶食,輸液管理で,抗生剤,抗潰瘍薬の投与を継続した結果,治療開始後24 時間で解熱し腹部所見も軽快した.入院6 日目の上部消化管内視鏡検査にて十二指腸球部に潰瘍を認めたが穿孔は閉鎖していたため,翌日から経口摂取を再開し,入院12 日目に退院とした.退院後6 か月で抗潰瘍薬の内服を終了したが,1 年後の内視鏡検査で潰瘍は完全に治癒しており,以後3 年経過するも再発は認めていない.小児十二指腸潰瘍穿孔例に対する保存的治療の報告は多くないが,条件を満たす症例であれば成人同様,有効な治療選択肢であると考えられる.
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