日本小児外科学会雑誌
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原著
鼠径管アプローチによるヘルニア修復術習得に必要な手術執刀数
―腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術導入後の問題点―
大野 耕一中村 哲郎中岡 達雄高間 勇一東尾 篤史三藤 賢志
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2014 年 50 巻 2 号 p. 211-216

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抄録
【目的】鼠径ヘルニアに対する鼠径管アプローチによる修復術(従来法)を習得するために必要な手術執刀数を求めるため,研修医が行った従来法の手術時間を検討した.さらに腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(LPEC 法)導入後の研修医の習熟度を評価した.
【方法】LPEC 法導入前に当科で修練した3 名の研修医(A,B,C)が執刀した男児の片側従来法の手術時間を20 例毎に区切り経時的に比較した.次にLPEC 法導入後に修練した2 名の研修医(D,E)の手術時間と比較した.
【結果】研修医A,B,C は3 年間で127,124,131 例の従来法を執刀し,61 から80 例目の手術時間は41 から60 例目に比べて有意に短縮し(A:41±10 から35±6,B:33±11 から27±7,C:40±15 から32±10 分;p<0.05),81 例目以降は有意差がなかった.また80 例を執刀するために各々21,25,19 か月を要し,除外例を含めてこの間に執刀した男児の全従来法は各々93,104,92 例であった.一方,研修医D,E は24 か月間に34,30 例しか従来法を執刀しておらず,手術時間は経時的に短縮していなかった.また最後の20 例の手術時間は各々40±11 と39±14分であり,研修医A,B,C の61 から80 例目の手術時間より長かった.
【結論】従来法を習得するには男児の鼠径ヘルニア修復術を約100 例執刀する必要があると考えられた.LPEC 法導入後は従来法を執刀する機会が激減し,十分な修練を積むことができなかった.従来法は小児外科医にとって習得すべき基本的手術であり,修練の機会を確保する必要がある.
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